Page 101 - 新生への道-text
P. 101
たちがしているのです。天に満ちあふれているのは、キ
リストの自己犠牲の愛の精神です。これこそ、天の幸福
の本質ともいうべきものであって、キリストに従う者が
持たなければならない精神であり、行わなければならな
い働きです。

キリストの愛が心のうちに宿るとき、それはちょう
ど、かぐわしい香りのように隠すことはできません。そ
の清い感化は、その人に接するすべての人に感じられま
す。心のうちにキリストの精神が宿っていれば、それは
砂漠の泉のように流れ出てすべてをうるおし、今にも死
にそうな人にいのちの水を飲ませます。

イエスを愛するならば、人類の祝福と向上のために、
イエスが働かれたように働きたいと望むようになりま
す。そして、天の父の保護のもとにあるすべての造られ
たものをやさしく愛し、同情するようになります。

救い主の地上における生涯は、安楽な自己中心の生
活ではありませんでした。彼は、根気強く、熱心に失わ
れた人類の救いのために労されました。かいばおけから
カルバリーに至るまで、彼は自己否定の道をたどられ、
困難な働き、苦痛の多い旅、次々と押し寄せる人々の頼
みごとなど、どのような苦労も避けようとはされません

09 人生と活動 | 101
   96   97   98   99   100   101   102   103   104   105   106