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キリストは、人性をおとりになったとき、愛の絆で人
間をご自身に結びつけられました。この絆は、人間が故
意に離れないかぎり、どんな力も切り離すことのできな
いもので、悪魔は常にこの絆を断ち切ろうとして、私た
ちが自分から選んでキリストから離れるように誘惑して
きます。

そこで私たちは、ほかに主を選ぶというような誘い
に乗らないよう警戒し、努力して祈る必要があります。
どちらを選ぶのも常に自由です。キリストから目を離さ
ないかぎり、キリストは私たちを守ってくださいます。
イエスをながめていれば私たちは安全であって、何もの
もイエスのみ手のうちから私たちを奪うことはできませ
ん。常にイエスをながめることによって私たちは、「主
の栄光を鏡に映すように見つつ、栄光から栄光へと、主
と同じ姿に変えられていく」(Ⅱコリント3:18)よ
うになるのです。

初代の弟子たちが、愛する救い主に似るようになっ
たのも、こうした方法によったのです。弟子たちは、キ
リストのみ言葉を聞いて、自分たちはイエスを必要とし
ていると感じたので、まず求め、見いだし、ついにイエ
スに従ったのでした。彼らは、家の中でも、食卓でも、

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