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いろいろなとりこし苦労をしたり、恐れや心配を口に出
したりするので、まるで、すべての祈りを聞き、必要な
ときにはいつでも助けて下さる、愛とあわれみとに満ち
た救い主がおられないかのように人に思わせてしまいま
す。

また、ある人は絶えず恐れ、意味のないとりこし苦
労をしています。彼らは毎日神の愛のしるしに囲まれ、
神の摂理のうちに恵まれていながら、祝福を見過ごしに
しています。そのような人々は、何か不愉快なことが起
こりはしないかと、そういうことばかり考えています。
また実際に当面する困難は、ほんの小さいものであって
も、そのために目がくらんで、感謝すべき多くのことを
見ることができません。ですから、困難に会ったとき、
唯一の助けの源である神のもとに行くかわりに、かえっ
て不安と不満の心を起こして神から離れてしまいます。

このように不信仰であっていいのでしょうか。どうし
て感謝と信頼の心がないのでしょうか。イエスは私たち
の友です。全天は私たちの幸福を願っています。日常生
活の困難、または、労苦に悩まされることがあっても、
失望してはなりません。もし、そうしたことを気にして
いれば悩みの種はいつまでも尽きないのです。心配して

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