Page 81 - 新生への道-text
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になるのです。
ですから、私たち自身のうちには、何も誇るところは

なく、自分を高める何の根拠もありません。私たちの唯
一の希望は、キリストの義が私たちに宿ることで、これ
は私たちのうちに、私たちを通して働いて下さる聖霊の
み業なのです。

私たちが信仰について語るとき、信仰には区別がある
ことを心にとめておかなければなりません。つまり、本
当の信仰とは全く違った一種の信仰があることです。神
の存在とその力、また聖書が真理であることは、悪魔と
その手下も心のうちでは否定できない事実として知って
います。聖書には「悪霊どもでさえ、信じておののいて
いる」(ヤコブ2:19)とありますが、これは信仰では
ありません。神のみ言葉を信じるというばかりでなく、
神に意志を服従させ、心をささげ、愛情を注いでこそ、
信仰があるといえるのであって、そうした信仰は愛によ
って働き、魂を清めるのです。この信仰によって、心は
神のみかたちに創りかえられます。人の心は、新しく創
られなければ神の律法に従わず、また従う力もありませ
ん。しかし信仰によって新しくされた今は、清いおきて
を喜び、詩篇記者とともに「いかにわたしはあなたのお

07 弟子としてのテスト | 81
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