Page 155 - 新生への道-text
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りを考えて、悲しみと落胆に満たされている人がたくさ
んいます。私がヨーロッパに行っていたとき、ある姉妹
がちょうどそのような状態で、たいへん失望し、励まし
の言葉を求めてきました。その手紙を読んだ夜のことで
すが、私はある庭園を歩いている夢を見て、その庭園の
持ち主と思われる方に案内されていました。私は歩きな
がら花を摘み、その高いかおりを楽しんでいますと、そ
ばを歩いていたこの姉妹は、道をふさいでいるつまらな
いいばらを見て、それを悲しみ嘆いていたのです。この
姉妹は案内者に従って道を歩かないで、いばらやとげの
中を歩いて「せっかくの庭園も、このようないばらがあ
って本当に残念なことです」と言うのでした。すると、
案内者は「いばらのことは気にしないでください。ただ
害を受けるばかりですから。それより、バラやユリやナ
デシコを摘んではどうですか」と答えました。

あなたの経験のうちに、何か明るいことはなかった
でしょうか。聖霊を感じて、喜びで心がときめいた尊い
瞬間はなかったでしょうか。今までの生涯の経験をふり
返ってみたとき、何か楽しい出来事はなかったでしょう
か。神の約束は、道ばた一面に咲いている香り高い花の
ようなものではないでしょうか。私たちはその美しさと

13 主にある喜び | 155
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