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甘い香りを、心から喜びましよう。
いばらととげは、ただ傷つけ悲しませるばかりです。

いばらばかりを集めて、それを他の人にも与えるなら、
それは神の恵みを自分が軽視するばかりでなく、周囲の
人々がいのちの道を歩くのを妨げることになるのではな
いでしょうか。

過去の生涯の不愉快な思い出、罪や失望ばかりをかき
集め、そのことを語り、悲しんで、ついには失望してし
まうことは決して賢明なことではありません。失望した
魂は暗闇におおわれ、心に射しこむ神の光を閉ざしてし
まい、他の人々の行く手にも影を投げかけます。

しかし、神が描いてくださった輝かしい光景を感謝し
ましょう。私たちは神の愛の確証を集めて、いつもそれ
をながめるようにしましょう。すなわち、神のみ子が、
悪魔の勢力から人を救うために父のみ座を捨てられ、
人性をもって神性をおおわれたこと、また私たちに代わ
って勝利を得てくださり、天を開き、栄光に輝く神のみ
座を人にあらわされたこと、さらに、罪によって陥った
滅びの渕から、堕落した人類を救い出し、無限の神との
交わりに入れてくださったこと、そして人は、あがない
主を信じて、神がゆるされた試練に耐えるならば、キリ

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