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違い、自分にないものを持っている彼女は本当に理
想的だと思ったのです。私はどちらかというと、恥ず
かしがり屋で内気、花鳥風月を愛する詩人で、彼女
は、明るく行動的で、すぐに誰とでも友達になれる長
屋の世話役的な存在でした。

自分にないものを持っている彼女と、お互いに足
りないところを補い合いながら、イエス様を証しす
る理想的な家庭を作りたいと思って結婚したのです
が、実際には性格が違うために、意見が違い、何かを
決めようとしてもお互い譲らず、けんかになることが
しばしばでした。カーテンの色柄、調度品の選択、食
事の味付け、ご飯の堅さ加減、様々なことが違い、し
ょっちゅうぶつかり、激しい口論になっていました。し
ばらくして、どちらかがあやまり、なんとかその場はお
さまっていましたが、そんなとき、牧師として説教の
準備をするのは本当に苦痛でした。イエス様の愛や
赦しを説きながら、自分の家庭はしばしば醜い争い
が繰り返されていたのです。そういうとき私は、正直
に自分の現状を話し、こんな自分でも神様は十字架

16 一条の光
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