Page 46 - Yamamoto Family -text final
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に続いていました。
母の言うことは正論であり、間違ったことを言って
はいませんでしたが、そこには愛や信頼や同情が欠
けていました。とうてい、私達が心から聞き従うこと
のできるものではなく、正論を振りかざす母の態度
は、子供たちのやり場のない怒りに油を注ぎ続けて
いました。母の心ない言動の数々は、私達家庭に拭
い去ることのできない心の傷を残していきました。
気がつけば、家庭は崩壊していきました。父はそ
のような家庭だったため、神様の働きを続けること
はできませんでした。新しい一般の仕事につきまし
たが、その会社も倒産し、また、常に先生と呼ばれて
きましたので、世の中でもまれることになりました。
毎日怒鳴られるようなことが多かったそうです。しか
し、そのような仕事を終えて帰ってきた我が家では、
毎日のような大げんかが起きていたのです。そして、
やりきれなくなった父は、ある日家に帰らなくなり、
何も告げずどこかに行ってしまいました。兄は大学
に進学する時期で、私は高校生の時でした。それで
46 一条の光
母の言うことは正論であり、間違ったことを言って
はいませんでしたが、そこには愛や信頼や同情が欠
けていました。とうてい、私達が心から聞き従うこと
のできるものではなく、正論を振りかざす母の態度
は、子供たちのやり場のない怒りに油を注ぎ続けて
いました。母の心ない言動の数々は、私達家庭に拭
い去ることのできない心の傷を残していきました。
気がつけば、家庭は崩壊していきました。父はそ
のような家庭だったため、神様の働きを続けること
はできませんでした。新しい一般の仕事につきまし
たが、その会社も倒産し、また、常に先生と呼ばれて
きましたので、世の中でもまれることになりました。
毎日怒鳴られるようなことが多かったそうです。しか
し、そのような仕事を終えて帰ってきた我が家では、
毎日のような大げんかが起きていたのです。そして、
やりきれなくなった父は、ある日家に帰らなくなり、
何も告げずどこかに行ってしまいました。兄は大学
に進学する時期で、私は高校生の時でした。それで
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