Page 48 - Yamamoto Family -text final
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その頃アルバイトを始めていたのですが、仕事場
で、上司に指図される度に、「何でお前にそんなこと
命令されなければいけないんだ」と食ってかかって
は、問題を起こし、首になっていきました。そればか
りでなく、家庭ではもちろんのこと、教会でも、そのよ
うな態度を表し、明らかに、教会の教えに反抗してい
くようになりました。
あまりにも、全てのものが疎ましく思われ、自分の
生まれた環境、宗教、家族を捨てて、二度とは家に
帰らないで出て行く決意をしました。それを知った
母や兄たちは、神様のもとを離れていくことがどれ
ほど愚かであるか、涙ながらに、時には取っ組み合
ってでも止めようとしましたが、私の心は、悪鬼の心
のように、堅く閉ざされ、何を言っても聞く耳を持た
ず、家族を踏みつけて出て行きました。
しかし、出て行ったもののあてもなく、公園で寝泊
まりする、ホームレスの生活へと落ちぶれていきま
した。橋の下をねぐらとし、寒ければマンションのご
み集積所のゴミのはざまにうずくまり、コンビニの
48 一条の光
で、上司に指図される度に、「何でお前にそんなこと
命令されなければいけないんだ」と食ってかかって
は、問題を起こし、首になっていきました。そればか
りでなく、家庭ではもちろんのこと、教会でも、そのよ
うな態度を表し、明らかに、教会の教えに反抗してい
くようになりました。
あまりにも、全てのものが疎ましく思われ、自分の
生まれた環境、宗教、家族を捨てて、二度とは家に
帰らないで出て行く決意をしました。それを知った
母や兄たちは、神様のもとを離れていくことがどれ
ほど愚かであるか、涙ながらに、時には取っ組み合
ってでも止めようとしましたが、私の心は、悪鬼の心
のように、堅く閉ざされ、何を言っても聞く耳を持た
ず、家族を踏みつけて出て行きました。
しかし、出て行ったもののあてもなく、公園で寝泊
まりする、ホームレスの生活へと落ちぶれていきま
した。橋の下をねぐらとし、寒ければマンションのご
み集積所のゴミのはざまにうずくまり、コンビニの
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