Page 47 - Yamamoto Family -text final

兄は、進学を諦め、私の学費のために働いてくれる
ことになりました。引っ越しという大変きつい仕事を
しながら、私の学費を捻出してくれていました。しか
し真夏の日、夜中まで働いて、汗まみれになって帰っ
て来た兄に、母は、玄関で兄を見た矢先にこう言い
放ちました。「あんた、汗臭いわ。早くお風呂に入って
きなさい！！」それを聞いた兄は、激怒しました。何の
ためこんなに夜中まで必死になって働いているの
だろうか。ただ父がいなくなり、一人になった母を助
けるために、家計を少しでも楽にするために、その
給料の全額を母に渡していたのです。しかし、ねぎら
いと感謝の一言もなく、あまりにも心ない言葉にや
りきれない怒りをあらわにしたのです。

このような心無い言動が、常に子供たちを傷付け
ていたにもかかわらず、親に反発し、また教会に反
発する私達を、母は糾弾し続けていました。ケンカ
があまりにも激しかったので、私はただじっと見守っ
ていたのですが、やがて、少し遅ればせながら、私の
反抗期が始まりました。何でもかんでも反発を覚え、

救いを得させる神様の力 47