Page 128 - Revival of faith -text final
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私は木の陰で、なおも震えながら隠れていました。ところが帰宅し
てから母は私のことを探さなかったんです。全然私を探しませんでし
た。私の名前も呼びませんでした。何も起こらなかったように、彼女
は振る舞っていたんです。讃美歌をハミングで歌っていました。鼻歌
を歌っていました。

私は心の中で思ったのですね。「お母さんはどうして私の名前を
呼ばないんだと」。大声で私の名前を呼んで、どなりつけたらいいじ
ゃないか、と私は思いました。私をたたいたらいいじゃないか。そし
たら、もっと気分が安らぐのにと思いました。私は、母が何事も起こ
らなかったかのように振る舞っているので、もっともっと居心地が悪
くなってきました。それから日が落ちて、夕方になってきました。母が
私の隠れていた木のそばまでやってきまして、― ―その間ずっと私
の隠れていた場所を知っていたんですよ(笑い)。とても恥ずかしく
なりました――ひと言だけ私に言いました。「息子よ、夕飯を食べる
間が来たよ」。それだけしか言わなかったんです。「食べましょう」と
言いました。私は立ち上がりまして、もう、どうしていいかわかりませ
んでした。もう穴があったら入りたい気持ちでした。

母について家に入りました。母は、「姉たち、妹たちを呼びなさい」
と言いました。それで、姉妹たちを呼びまして、食べる部屋に入ったん
です。すると、そこのテーブルには、私の好物のものばかり並べられて
いたんです。私が恐ろしくて、木の陰でビクビクしながら隠れていた
間、母は私のためにおいしい料理を作ってくれていたのです。私には
理解できませんでした。そして、お祈りをしようとしていたちょうどそ
の、ドアのベルが鳴ったのです。その日、いつもより早い間に、父親が
帰宅してきました。父は部屋に入ってくると、母に向かって「お母さん、
今日は万事何もなくよかったかい? 何か起こったかい?」と聞いたの
です。私は父の質問を聞いて、「もうだめだ」と思いました。

父は私が一人息子だったので、厳しく育てていたのです。私を甘や

128│信仰のリバイバル
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