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ています。ヤコブはエサウを欺いて罪を犯し、父の家を
逃れたとき、言いようのない罪の重荷で押さえつけられ
るように感じました。今までの楽しかった生活をあとに
して、一人寂しく家を追われていく彼が、何よりもまず
気になったのは犯した罪のために神から切り離され、天
から全く見捨てられてしまったのではないかいうことで
した。こうした悲しい心をいだいて、着のみ着のまま土
の上に横たわる彼の周囲には、寂しく丘が起伏し、空に
は星が明るくまたたいていました。彼が夢路に入ったと
き、不思議な光がまぼろしのうちに目の前に輝き出まし
た。それは、今自分が眠っている原野から、大きな影の
ようなはしごが天の門まで通じているかのように見え、
その上を天使が昇ったり降りたりしていました。そして
輝く栄光のかなたから、慰めと希望に満ちた声が聞こえ
てきて、彼の心の求めと望みを満たすのは救い主である
ことを知らされたのです。彼は罪人である自分がもう一
度神と交わることができる道を示されて、喜びと感謝に
満たされました。ヤコブの夢にあらわれた不思議なはし
ごは、神と人類の間のただ一人の仲保者イエスをあらわ
したものです。

キリストがナタナエルと語られたとき、「よくよくあ

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