Page 209 - Revival of faith -text final
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そしてステパノがここで指摘していたのは、イスラエルという神の
教会であったはずの機関が、キリストの王座でなくて別の存在の王
座にとって代ってしまったと、言っていたわけです。
「あなた方神の教会が、神の教会でなくなり、かえって神の義を擁
護する人たちを迫害する側に回ってしまった」、ということをステパ
ノは指摘していました。これは本当に力強い証であります。そのこと
を理解したときに、私の心は強く打たれました。涙があふれて来まし
た。なぜなら、ステパノは私たちの教会、私たちの霊的状態について
述べている、指摘しているのだということが分かったからです。神の
教会は、神の真理を擁護する立場にあります。福音、ご自分の義を
全世界に述べ伝えるという目的を果たすために教会をお建てになっ
たわけです。その結果、罪に終わりをきたらせることができるという
ことでした。そして永遠の義が示されるようになる、これこそ、イエス
様がこの世界にご自分の教会をお建てになった理由だったのです。
このメッセージを、まず私たちは、世界に対して宣布しなければなり
ません。これこそが永遠の福音なのです。これこそが私たちの教会
の目的なのであります。神様が、私たちをどのように罪からお救いに
なるのか、世の人々に説明するようになっていたのです。ところが、当
のユダヤ教会は、その働きに携わっていませんでした。かえってその
働きを妨害し、壊していたのです。さらに、義人たちを罰するという、
自分たちがあたかも神のようになって、権力をふるっていたわけで
す。そして、教会に対する神様の目的を曲解し、この地上の一的な王
国を打ち立てるのが、神様の目的であるかのように彼らはふるまっ
ていたわけです。

ここでステパノは結論を急ぎました。イスラエルの目的は、メシヤ
の誕生をもたらすものであったということ、これは私たちの目的でも
あります。にもかかわらず、その義なる方をあなた方は殺すのか。そ
う指摘を受けて彼らは怒り狂ったわけですけれど、そのことが分か

現代のイスラエル│209
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