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キリストの生涯はこうした性質のものでしたが、こ
れこそ神のご性質です。キリストのうちにあらわされ、
人類の上にあふれ出た天からの愛の流れは、天の父のみ
心から出たものです。優しく思いやり深い救い主イエス
は、「肉において現われ」(1テモテ3:16)た神で
した。

キリストが地上に生活し、苦しみ、十字架上で死な
れたのは、私たちをあがなうためでした。彼は私たちが
永遠の喜びにあずかることができるように、「悲しみの
人」となられました。神は、恵みと真理に満ちたひとり
子を、栄光に輝くみ国から、罪にそこなわれ、死と呪い
に暗く閉ざされたこの世に下されたのです。神は、イエ
スが愛のふところを離れ、天使たちの賛美の声を後にし
て、苦しみと恥、無礼、屈辱、憎しみ、最後には死をさ
え受けることをおゆるしになりました。「彼はみずから
懲らしめを受けて、われわれに平安を与え、その打た
れた傷によって、われわれはいやされたのだ」(イザヤ
53:5)。荒野の、ゲッセマネの園の、または十字架
上のイエスをごらんなさい。一点の汚点もない神のみ子
が、罪の重荷を負い、また神と共におられた方が、罪の
結果である神と人との間の恐ろしい離別を経験されたの

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