Page 13 - 新生への道-text
P. 13
なって死ぬためにお与えになったばかりでなく、神は、
キリストそのものを堕落した人類にお与えになったので
す。キリストは人類の利害、また必要を人々と共に味わ
われました。神と一つであったキリストは、人々と切っ
ても切れない絆で結ばれ「彼らを兄弟と呼ぶことを恥」
(へブル2:11)とされません。彼は私たちの犠牲、ま
た助け主、私たちの兄弟です。神のみ座の前に人間の姿
をもって立ち、永遠に自らあがなわれた人類の一人とな
られた「人の子」です。これはみな罪の渕より、また滅
びより人が引き上げられ、神の愛を反映し、清い者とな
る喜びにあずかるためでした。

私たちのあがないのために払われた価、私たちのため
に、そのひとり子に死をさえおゆるしになった天の神の
はかり知れない犠牲を考えるとき、キリストによって、
私たちは非常に高潔な状態に到達することができるとい
う観念をおこさずにはおられません。霊感に動かされた
使徒ヨハネは、滅びゆく人類への天の父の愛の高さ、深
さ、広さをながめて、心はただありがたさと敬虔な思い
でいっぱいになり、その愛の偉大さ、優しさを表現する
のにふさわしい言葉を見いだすことができなくて、「わ
たしたちが神の子と呼ばれるためには、どんなに大きな

01 人類への神の愛 | 13
   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18