Page 9 - 新生への道-text
P. 9
けられ、そのひざによじのぼって愛にあふれた物静かな
み顔に見入るのでした。

イエスは真実をなんの遠慮もなく語られましたが、そ
ういうときにはいつも愛を持ってお語りになりました。
また人と交際するにあたっては、いつも上手に、深い思
いやりと注意を払い、荒々しい言葉を用いたり、なんの
理由もないのに言葉を鋭くしたり、感じやすい心を何の
必要もないのに傷つけたり、人の弱さを責めたりなさい
ませんでした。常に愛をもって真実を語られました。ま
た偽善、不信、不義をお責めになりましたが、そうした
鋭い譴責の言葉を語られたときにも、そのみ声は涙にふ
るえていました。道であり真理であり命である自分を拒
んだ、愛する町エルサレムのことを考えて、主イエスは
泣かれました。人々はイエスを拒んだのですが、イエス
は優しく彼らをあわれまれたのです。彼は一生の間、自
己を全く捨てて、人のために尽くされました。イエスの
目にはどの魂もみな尊く映ったのです。彼は神の子の権
威を備えておられましたが、へりくだって、神の家族の
一人ひとりをやさしく思いやり、どの人を見ても、この
罪に落ちた魂を救うことこそ自分の使命であると思われ
たのです。

01 人類への神の愛 | 9
   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14