Page 129 - RememberMe!

ない律法を、神が人々に課したような印象を与えていました。彼ら
は神を暴君のように思わせて、神が要求なさった安息日を守ること
は、人間を強情でひねくれたものにすると考えさせました。このよう
な間違った観念をなくすのが、イエス・キリストの働きでした。ラビ
たちは、対抗心と冷酷さを持ってイエスのあとを追いましたが、イ
エスは、彼らが作り上げた安息日ではなく、神が制定なさった安息
日を守られたのでした。

キリストが律法を廃されたと主張する人々は、イエスご自身も、地
上におられた時は、安息日を犯したのだと教えます。ゆえに彼らは、
実際には、安息日を犯したかどでイエスをとがめたユダヤ人たちと、
全く同じ立場を取っていることになります。彼らの立場は、「もしわ
たしの戒めを守るならば、あなたがたはわたしの愛のうちにおるの
である。それはわたしがわたしの父の戒めを守ったので、その愛の
うちにおるのと同じである」（ヨハネ15：10）と言われたキリストご
自身の証言と矛盾することになります。救い主や弟子たちのうち、
安息日を犯した者は誰もいませんでした。キリストは、十戒の生き
た手本でした。彼の生涯において、尊い戒めを犯したという記録を
見つけることはできません。イエスは、ご自分を断罪する機会を探
る者たちに向かって、「あなたがたのうち、だれがわたしに罪がある
と責めうるのか。わたしは真理を語っているのに、なぜあなたがた
は、わたしを信じないのか」（ヨハネ８：46）と言われましたが、誰
もそれに反論することができませんでした。

安息日と「信仰による義」 129