Page 21 - RememberMe!
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かしこのような質問は、何も安息日だけに限られた性質のものでは
ありません。「親を敬えば救われるのか?」「盗みをしなければ救
われるのか?」といった具合に、どれも同じ内容の質問です。こうい
った質問には、どう答えればよいのでしょうか?私たちは、親を敬
って盗みをしなくても救われない人が多くいることを知っているの
で、「そうです!」と返答することをためらいます。同時に、律法に背
く行為を悔い改めない人々は、「神の国を継ぐことがない」(ガラテ
ヤ5:19-21;Ⅱテモテ3:2~5)ことを明示した聖書の言葉も知っ
ているので、「いいえ」と答えるのもためらいます。では、どこに問題
があるのでしょう?また、正しい答えは何なのでしょう?

先述しましたように、安息日は、創造と救いの歴史的な出来事を
記念する日として、非常に重要な意味を持っています(申命記5:12
~15)。「安息日を守ったら救われるか?」という質問は、他の戒め
も守れば救われるのか、という質問と同様に、戒めの意義をはき違
えたものと言わざるを得ません。論理的に間違った質問からは、正
しい答えを導くことはできません。

安息日を含む十戒は、救いの根拠ではなく、恵みにより無償で与え
られた救いに対する人間の応答、すなわち信仰が真実なものである
かどうかをあらわす実、つまり行いを裁く基準なのです(マタイ7:16
~21、ヤコブ2:8~13)。十戒の役割は罪人を義とする働きではなく(
ローマ3:20)、十字架の恵みによって義人とされた者を罪から保護し
て清くする聖化の手順であり、標準なのです(ローマ7:7、13)。

旧約聖書と安息日 21
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