Page 22 - Yamamoto Family -text final
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たり、工場の出荷ミスで受注先へ土下座してお詫び
をしたりなど、精神的にボロボロの状態になってい
きました。そんなとき私は、心の憂さを晴らすため
に、家族を裏切るような罪の生活に走り、それを楽し
むようになっていきました。私は、それがいけないと
思ってやめようとしても、どうしてもやめることがで
きず、祈っても、決心してもやめることができません
でした。

そのうちに会社が倒産し、たまたま私は、同業他
社で働くことができるようになったのですが、そこで
の仕事は、もっと規模が大きく複雑で、ミスとトラブ
ルが相次ぎ、お客様にも、会社にも大変な迷惑をか
けてしまうことがしばしば起きました。

私は、自我に死ぬために、すべてを捨ててきたは
ずなのに、家族はバラバラ、仕事はトラブル続き、情
欲には勝利できない、全くの絶望状態となり、家内
からは嫌われ、とうとう、すべてを捨てて、今度は本
当に無一物で、熊本の実家へ逃げていってしまった
のです。

22 一条の光
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