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2、罪を犯した人間に示された神様の姿

これまでに、多くの画家が、創世記3章24節の場面を描いてい
ます。どの絵も、険しい顔つきで、手には燃える火の剣を持って、エ
デンの園の入口に立ちはだかる天使と、園を追い出されたアダムと
エバが、恐ろしさに震えている姿が描かれています。

しかし、よく考えてみると、羊を屠って皮の衣を着せられた愛の神
様が、罪を犯した二人を、厳しく突き放して、恐怖心を抱かせたまま
園から追放されたのでしょうか。

もちろん神様は、罪を犯した人間が、永遠に生きることがないよ
うに、園の入口にケルビムを置き、命の木に近づく道を閉ざされまし
た。けれども、そこで覚えておかなければならないことは、「神は人
を追い出し、エデンの園の東に、ケルビム[複数形]と、回る炎のつる
ぎとを置いて、命の木の道を守らせた」(創世記3:24)と書かれて
いることです。ここに「回る炎のつるぎ」という言葉がありますが、こ
の「回る炎のつるぎ」はケルビムの間にあります。では、ケルビムの間
にはどなたがおられました?詩篇99篇1節には、「主は王となられ
た。もろもろの民はおののけ。主はケルビムの上に座せられる」とあ
ります。ケルビムとは、神様の御座、その臨在の近くで常に護衛する
天使です。エゼキエル書1章と10章にも、神様はケルビムの間に臨
在しておられることが描写されています。

そうすると、モーセが啓示の中でこの場面を見せられた時、栄光
に輝く神様が、ケルビムの間で行ったり来たりしておられる姿が、あ
たかも燃え盛る炎のように見えたために、「回る炎のつるぎ」として
表現したのではないでしょうか?「回る」、言い換えれば、行きつ戻
りつ、おろおろしておられる神様の姿!それは、去って行くアダムと

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