Page 203 - Revival of faith -text final
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使徒行伝7章をお開きください。1節から7節まで見てみたいと
思います。紀元34年に、サンヒドリンの場でステパノがどのようなメ
ッセージを語っていたか、ほとんどの人は理解していないと思うの
です。私もそうでした。一見わかりにくい、いったい何を言いたいの
か、はっきりしていないような感じのメッセージなんですね。彼はま
ず、イスラエルの歴史について述べています。なぜアブラハムの代か
ら、彼の代までのイスラエルの歴史について、ステパノが、ここでこの
ようなことを語ったのか私にもわかりませんでした。そういった歴史
というものは当、ユダヤの人たちによく知られていたものだったので
すね。ところがステパノはイスラエルの歴史の中で、ある重要な局面
について指摘していたのです。ですからステパノが、ある特殊な言い
方、やり方でイスラエルの歴史を述べたことによって、ユダヤ人たち
は怒り狂って、ステパノを外に連れ出して石で打ち殺してしまいまし
た。何を言ったので、ユダヤの指導者たちはこれほどまでに怒り狂っ
たのでしょうか。そのことを見ていきたいと思います。

初めに使徒行伝7章の1節から7節までを見てみましょう。「大祭
司は『そのとおりか』と尋ねた。そこで、ステパノが言った、『兄弟た
ち、父たちよ、お聞き下さい。わたしたちの父祖アブラハムが、カラン
に住む前、まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて、仰
せになった、『あなたの土地と親族から離れて、あなたにさし示す地
に行きなさい』。そこでアブラハムはカルデヤ人の地を出て、カラン
に住んだ。そして、彼の父が死んだのち、神は彼をそこから、今あな
たの住んでいるこの地に移住させたが、そこでは、遺産となるものは
何一つ、一歩の幅の土地すらも、与えられなかった。ただ、その地を
所領として授けようとの約束を、彼と、そして彼にはまだ子がなかっ
たのに、その子孫とに与えられたのである。神はこう仰せになった、
『彼の子孫は他国に身を寄せるであろう。そして、そこで四百年のあ
いだ、奴隷にされて虐待を受けるであろう』。それから、さらに仰せ

現代のイスラエル│203
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