Page 9 - Revival of faith -text final
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れで、事業のことはよく知っていたのです。そのとき私は21歳でし
た。この世の栄光が私の前をよぎりました。〈高級車と、素晴らしい
家に住めるだろう〉。しかし次の瞬間に、母の顔が浮かび、それで祖
父にこのように言いました。

「おじいさんのご厚意を感謝します。でも、それを受けることはで
きません。今になって、私の主イエス・キリストを裏切ることはできま
せん。私の人生で最も大切なお方なのです」。

そして、祖父の前にひれ伏して、その家を後にしました。その日は2
月のとても寒い日でした。そこから3キロほど雪の降る道を歩きまし
た。その日私が学んだことは、〈イエス・キリストに従うには苦しみが
伴う〉ということでした。

真理を信じるには痛みが伴います。犠牲が伴います。しかし、今振
り返ってみると、感謝の念が溢れてきます。高校代、大学代、私は家
が貧しかったことで口惜しい思いに満たされていました。ときには、
2食、3食、何も食べることができないこともあったからです。ですか
ら私は、飢えることの苦しさを知っています。しかし、振り返ると、そ
こには、神様のお恵みしかないのです。貧しい経済状態であったが故
に、私は女の子と付き合うことができませんでした。

若かった頃、私は結構女の子に人気があったのですが、世的なも
のを楽しむこともできずにいました。後で振り返ってみて、これは神
様が世的なものから守って下さった恵みであったことを知りました。
私の、貧しい魂を救って、神様の器として下さるためにほかならなか
ったのです。そのために神様は、私たち家族が貧しい状態にあるこ
とを許されました。

皆さんにお聞きしたいことがあるのですが、皆さんは今日、何に苦
しんでおられますか。皆さんが負っておられる十字架はどんなもの

私の証│ 9
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