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る悪事のゆえに、このような仕打ちを受けたのだと
悟りました。何かが音を立てて崩れていくのを感じ
ました。自分が憧れ、自由を求めて飛び出した世は、
こんなにも無残に、私を裏切ることを知りました。

本心に立ち返る

その夜、朝焼けをじっと待ちながら、これまでの人
生を静かに振り返りました。初めて、自分のしてきた
ことの恐ろしさを悟るようになりました。そして家を
飛び出してきた頃のことが、一つ一つ思い出されて
いきました。これが私の追い求めた、この世の与える
ものなのだと悟らされて、どれだけ、家族のアドバイ
スが真実であり、自分が愚かであったかを悟るよう
になりました。そしてただ申し訳ない気持ちで一杯
になりました。そうすると居ても立ってもいられず、
ただちに始発の電車に乗り込み、我が家を目指して
進みました。あれほど、二度とは帰らないと告げてき
た場所、縁を切り、弟は死んだものとしてもらったあ
の家に向かって、歩き始めました。どんなに心が重く

救いを得させる神様の力 55