Page 57 - Yamamoto Family -text final
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しながら、ただ待っていました。ですが一体何と言え
ばいいのでしょうか。なんと言えばいいかわからず
祈り続けていましたが、しかしこれといった答えはあ
りませんでした。「ガチャ!」。ついにその時がやって
来ました。急いで、玄関に走り、膝を合わせて座り、ど
んな言葉も見つからずただ「今までごめんなさい。」
と深々と謝りました。そうです。ただ、今までの申し
訳ない気持ちを込めて、5文字の言葉「ごめんなさ
い。」と言えばよかったのです。顔を上げると、母が立
っていて、それほど驚きもせず、「あら、帰ってたの」
との返事がありました。「ただいま帰りました。今ま
での数々の悪行を許して下さい。」ともう一度頭を下
げました。母は、大して気にする様子もなく、何のこ
とかと言わんばかりでした。ただ、「今から教会に行
こう。」と言い出しました。母に手を取られ、連れられ
ながら教会に向かいました。自分が叩き、暴言の数
々を吐いてきた母に手を取られ、歩きながら、ただ
ただ申し訳なくて、涙が込み上げてきました。いった
い自分はなんていうことをしてきたのだろう。小さい
救いを得させる神様の力 57
ばいいのでしょうか。なんと言えばいいかわからず
祈り続けていましたが、しかしこれといった答えはあ
りませんでした。「ガチャ!」。ついにその時がやって
来ました。急いで、玄関に走り、膝を合わせて座り、ど
んな言葉も見つからずただ「今までごめんなさい。」
と深々と謝りました。そうです。ただ、今までの申し
訳ない気持ちを込めて、5文字の言葉「ごめんなさ
い。」と言えばよかったのです。顔を上げると、母が立
っていて、それほど驚きもせず、「あら、帰ってたの」
との返事がありました。「ただいま帰りました。今ま
での数々の悪行を許して下さい。」ともう一度頭を下
げました。母は、大して気にする様子もなく、何のこ
とかと言わんばかりでした。ただ、「今から教会に行
こう。」と言い出しました。母に手を取られ、連れられ
ながら教会に向かいました。自分が叩き、暴言の数
々を吐いてきた母に手を取られ、歩きながら、ただ
ただ申し訳なくて、涙が込み上げてきました。いった
い自分はなんていうことをしてきたのだろう。小さい
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