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一人ひとりの、そして全人類の罪を執り成し、きよめて大祭司として
のキリストの働きを教えることです。二つ目は、神様に従う聖徒たち
が、神様のみ座に至るまでに、どのような経験を通ってキリストにつ
いて行くのか、その道を示す案内図のようなものです。そこで私たち
は、聖所を見る時に、永遠を目指して進む「信仰による義」の全行程
を、はっきりと理解できるようになるのです。

さて、罪人が小羊を引いて聖所に向かう時、彼の心は砕かれ低く
されます。小羊を引いていく罪人を見て、村人は「あの人はどんな罪
を犯したのか?」とささやくに違いないからです。罪人は、自分のみ
じめさ、罪深さを認めて、謙遜にさせられます。

聖所に向かって歩んでいくと、罪人の目には三つのものが見えて
きます。聖所の外側を囲んでいる白い幕〔「庭の周囲のあげばりは
みな亜麻の撚糸である」(出エジプト28:16)〕と、祭壇から立ちのぼ
る煙、聖所に垂れ込める神様の臨在を表す雲です。それらを見る時
に、罪人の心には、大きな希望が湧いてきます。それは彼が、「あの
聖所の庭に行き、羊をいけにえとして捧げれば、私はあの亜麻布の
幕のように白い義で覆われ、罪は焼き尽くされて煙のように消え去
り、聖所の入口から入って、神様と共に生きることができるようにな
るのだ」と思うようになるからです。

 聖所の入口へ来ると、罪人は、美しい色彩の、広い垂れ幕のよ
うな扉の前に立ちます。「庭の門のとばりは青糸、紫糸、緋糸、亜麻
の撚糸で、色とりどりに織ったものであった。長さは二十キュビト、幅
なる高さは五キュビトで、庭のあげばりと等しかった」(出エジプト38
:18)。罪人が、この美しい色彩に見とれていると、案内役の祭司が
近づいてきて、これらの色は、やがておいでになるメシヤの特徴を表

第3章 │ 33
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