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りません。そして、信仰自体が完全なものとされるのは、服従以外に
はありません。

私たちが、いくらイエス様を信じて救われました、と言ったとして
も、心の奥にある罪に勝利する経験をしていないとすれば、真の救
いの喜びと平安を持つことはできません。魂の奥底には不安と罪責
感を隠し持ちながら、生きることになるでしょう。そのような状態で、
どうして救われたと言えるでしょうか。

結論として言えることは、聖化のない救いはあり得ないということ
です。救いは義認だけで十分であって、たとえ聖化が良い実を結ん
だとしても、それは救いにとって必要条件ではないという教えは、非
聖書的であるだけでなく、偽りの安全感をもたらすサタンの欺瞞で
す。イエス様は使徒パウロに、聖化は救いの経験の一部であるとし
て、次のように語られました。「それは、彼らの目を開き、彼らをやみ
から光へ、悪魔の支配から神のみもとへ帰らせ、また、彼らが罪のゆ
るしを得、わたしを信じる信仰によって、聖別された人々に加わるた
めである」（使徒行伝26：18）。「しかし、主に愛されている兄弟たち
よ。わたしたちはいつもあなたがたのことを、神に感謝せずにはおら
れない。それは、神があなたがたを初めから選んで、御霊によるきよ
めと、真理に対する信仰とによって、救を得させようとし」（Ⅱテサロ
ニケ2：13）。

もう一度言いますが、聖所の制度は、神様が私たちをどのように
救われるかを示す唯一の青写真(詳細設計図)です。罪人は外庭で義
認を経験し、聖所に入り、神様が用意して下さった恵みと方法を通し
て、どのように義認の経験を維持できるかを学びます。聖所の外庭
は義認を教え、聖所は私たちに聖化の過程と、聖化のための力の源

第５章 │ 85