Page 104 - RememberMe!
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召しをこうむった時、それに従い、行く先を知らないで出て行った」
(ヘブル11:8)。彼は、神の約束が実現する外的証拠が何一つな
いのに、その約束を信じ、住み慣れた家と親類と故郷を捨てて、行
く先を知らないで、神が導かれるままに従いました。カルデヤのウ
ルは、その当時、最高の文明施設と便利さを兼ね備えた大都市で
した。当時そこには、すでに水洗式トイレとシャワー設備がそろっ
ていました。それなのに、アブラハムはそこを離れました。あても
なく、「行き先を知らないで出て行った」のでした。砂漠の生活は、
どれほど不便だったことでしょう。どれほど多くの砂嵐と、危険な
境遇に直面したことでしょう。こういうわけで、アブラハムに臨ん
だ試練は軽いものではなく、彼に求められた犠牲も小さなもので
はありませんでした。しかし彼は、召しに服従することをためらい
ませんでした。彼は、約束の地について問いませんでした。土地は
肥えているか、気候は健康に適しているか、その地方は快適な環
境を提供して、財産を蓄える機会を与えるかなど、一つも問わなか
ったのです。神が語られたゆえに、服従するだけでした。アブラハ
ムにとって世界で最も幸せな所は、神が彼にいてほしいと願われ
る場所でした。

今日も多くの人が、アブラハムが試練にあったように、それぞれ
の試練にあいます。彼らは、天から語られる神の声を直接聞くこと
はないかもしれませんが、み言葉の教訓と摂理を通して召されま
す。彼らは、克己と苦難と犠牲の道にしか思えないその道に入って

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