Page 62 - RememberMe!
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異教から改宗した異邦人クリスチャンたちは、祭りの時に偶像に
供えられた食べ物を口にするのは悪いことだと考えるようになりま
した。クリスチャンになっていた彼らは、そのようなものを食べるの
は、偶像に忠誠を尽くすことのように感じたのでした。反対にユダ
ヤ人クリスチャンたちは、なんの問題もないと感じていました。

パウロは、このような問題は、知識ではなく愛で解決しなければ
ならないと勧告し(Ⅰコリント8:1)、偶像に供えられた物を食べた
からといって、それで実際に汚れるわけではないと述べました(Ⅰコ
リント8:4)。ただし、偶像への供え物を食べても大丈夫だという
人たちに対して、供え物を食べる人につまずいて、信仰に損害を被
るかも知れない人々のために食べないようにと勧告しています(10
:28,29)。食べ物自体で汚れるのではなく、それを食べる行為を
偶像崇拝と思う人たちをつまずかせることのないよう、配慮して、
食べないようにと述べました(Ⅰコリント8:9,12,13)。

このように反問することができます。「どうして私の自由が、他人
の良心によって制限されなければならないのですか?私が神の前
で正当なことをしているならそれで良いはずなのに、あえて他人に
まで気を遣いながら生きなければならないのですか?」と。このよ
うな質問に対して、パウロは次のように答えながら、締めくくってい
ます。「わたしもまた、何事にもすべての人に喜ばれるように努め、
多くの人が救われるために、自分の益ではなく彼らの益を求めてい
る」(Ⅰコリント10:33)。たとえ自分が、神のみ前で誤ることなく、

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