Page 72 - RememberMe!
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安息日廃止論を研究してみると、安息日とはなんの関係もないこ
の聖句を、安息日と関連させ、どの日であれ、ただ守ればよいという
理論を展開しています。この聖句の背景はこうです。当時ローマ教会
には、過越派と揺祭派との対立があって、過越派の内部にも強硬派
と穏健派の間で、過越の羊を食べるかどうかということで葛藤があ
りました。そのため使徒パウロは、次の箇所で次のように述べてい
るのです。「日を重んじる者は、主のために重んじる。また食べる者
も、主のために食べる。神に感謝して食べるからである。食べない
者も、主のために食べない。そして、神に感謝する」(ロ-マ14:6)。
ここで述べられている、食べ物や日とは、レビ記にある食物や十戒
の安息日についての規定のように公のものではなく、個人の判断に
まかされた、菜食か肉食かという問題や、週に2度行っていた断食
の日の問題についてであったと推察されます。

また、「すべての日を安息日のように過ごせば良いのであって、あ
えて第七日(土曜日)だけを特別に守らなければならないのか?」と
尋ねる人たちもいます。出エジプト記20章の8節を見ると、「安息
日を覚えて、これを聖とせよ」と命じた後に、9節で「六日のあいだ
働いて、あなたのすべてのわざをせよ」と説明しています。そして1
0節では、「七日目はあなたの神、主の安息であるから(週の第七
日目は安息日だから)、なんのわざをもしてはならない」と、明らか
にしています。「第七日」を除いた他の六日のあいだは、力をつくし
て働かなければならないことを強調している点にも、注目しなけれ

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