Page 80 - RememberMe!
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19. [安息日は、実体がくれば廃される影であるか?]

「神は、わたしたちを責めて不利におとしいれる証書を、その規定も
ろともぬり消し、これを取り除いて、十字架につけてしまわれた。そし
て、もろもろの支配と権威との武装を解除し、キリストにあって凱旋し、
彼らをその行列に加えて、さらしものとされたのである。だから、あな
たがたは、食物と飲み物とにつき、あるいは祭りや新月や安息日など
について、だれにも批評されてはならない。これらは、きたるべきもの
の影であって、その本体はキリストにある」(コロサイ2:14~17)。

十字架で安息日は廃止(?)されました。ただし、この安息日と
は、どの安息日なのでしょう?十字架に釘づけされてしまった「規
定もろともぬり消された証書」とは、何なのでしょうか?

上の聖句を理解するには、どうしてこのような勧告が、よりによって
コロサイ教会に与えられたのか、その背景と文脈を知ることが必要で
す。パウロがローマの獄中でこの手紙を書いた当時(西暦62年頃)、小
アジアのコロサイ教会は、「コロサイの異端(The Colossian Heresy)」
と呼ばれる特殊な異端によって苦しめられていました。「むなしいだ
ましごとの哲学」(2:8)とか、「世のもろもろの霊力に従う人間の言
い伝えに基づくもの」(2:8,20)とか、「わざとらしい謙遜と天使礼
拝」(2:18)とか、「ひとりよがりの礼拝と・・・からだの苦行」(2:23)
などといったコロサイ人への手紙に見られる特殊な表現は、その異

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