Page 81 - RememberMe!
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端の内容をある程度あらわしています。これらはギリシアとペルシ
アの二元論に基礎を置く、東洋の神秘思想を混合した一種の宗教
哲学で、グノーシス主義と呼ばれています。彼らはイエス・キリスト
以外にも、天使たちを神と人を結びつける創造と救いの仲保者とし
て紹介し、キリストの満ち満ちた神聖と受肉とを否認し、また十字
架で成し遂げられた救いの事実を無視しながら、自らの虐待と厳
格な禁欲を実践して霊に満たされようと努力する一方、割礼などの
旧約の儀式を救いの方法のひとつとして紹介して、自分たちが受け
継いだ秘密の霊的知識(gnosis)による救いを説きました。このよう
な異端に対抗して、パウロは、イエスが創造主であられ、教会のか
しらであられ、唯一の仲保者であられるとの確信を得させてくれま
す(コロサイ1:16、18、20)。このような背景を念頭に置いて、文脈
をもういちど吟味してみましょう。

1 十字架につけられた規定の証書とは、何でしょうか?「証書
(χειρ γραΦον)」という言葉は、聖書の中で、ただ一度ここでの
み使われている特別な用語ですが、「借用証書」を意味する専門用
語です。キリストは十字架の血によって、私たちを不利におとしいれ
る証書を、その規定もろともぬり消し、取り除いてくださいました。

2 聖書には、第7日安息日と祭りの安息日の、二種類の安息日
があります。コロサイ人への手紙2章16節の祭りは、レビ記23章

新約聖書と安息日 81
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