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によると、この「定めておいた人」は、一年前からあらかじめ大祭司
が選んでいたと言われます。一年間、彼はこの任務を瞑想しながら、
心と体を備えました。彼は、大贖罪日の締めくくりとして、全イスラエ
ルが厳粛に見守る中で、アザゼルの山羊を無人の荒野へと引いて行
きました。もし、定めておいた人がこの山羊を逃がしてしまったら、
全イスラエルが滅ぼされることになるので、この人の役割は非常に重
要なものでした。

儀式の最初では、山羊二頭が引かれてきて、一匹は殺されました
ので、生かしておいたアザゼルの山羊は、自分の運命を悟って、逃
げようと必死になります。この時に、アザゼルの山羊を引きずって行
く、この「定めておいた人」は、サタンを千年期の荒廃した荒野に連
れて行く14万4千人を象徴しています。

14万4千人は、罪の除去を受けて、生きたまま昇天するのにふさ
わしい品性とされ、仲保者なしにヤコブの悩みの時を通過する人々
です。彼らに罪を犯させようと、最後のあがきをするサタンに対抗し
て、勝利を収める人たちです。

「仲保者なしにヤコブの悩みの時を通過する」とは、人類のため
の恵みの期間が閉ざされ、大祭司の執り成しの祈りが絶たれた時、
つまり、赦しの恵みがなくなった時のことです。印が押される期間が
終わり、すべての人の運命が決定した後、福音の力によって創りかえ
られ、神様の戒めを守る聖徒たちが、み言葉に従って、これ以上罪
の力に支配されることなく生きる、短い期間を指しています。この期
間、獣の刻印を受けた者たちには七つの災害が臨みます(黙示録1
6章参照)。その時、激怒したサタンは、ちょうど、過去に、自分がエ
サウをそそのかしてヤコブに対して軍隊を送ったように、艱難の時

134 │ 聖所‐福音の道しるべ
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