Page 162 - My FlipBook
P. 162
人たちは、過ぎ越し祭のパンを食べるための、安息日を守る準備が
できなかったはずです。安息日は金曜日の日没から、土曜日の日没
まででした。そして、過ぎ越し祭は、ユダヤ暦でニサンの月の十四日
に行われました。これはまさに、イエス様が十字架で死なれた日で
す。日といい、時間といい、イエス様が過越しの小羊の本体であるこ
とが、これほど明白なのに、どうしてユダヤ人たちは、この大切な啓
示を無視して、主こそが、まことの過越しの小羊、メシヤであること
に、気がつかなかったのでしょうか?良心に焼き印を押され、聖霊
の感化を受ける心を失っていたために、そのように無知な振る舞い
をしたとしか、考えられません。

B、揺祭とその初穂
揺祭は、過ぎ越し祭の後、三日目に、一番先に実った麦の極上品
をひとつに束ねて、聖所の外庭で神様の臨在(至聖所)に向かって、
上下に揺り動かす儀式でした。神様の贈り物であられるメシヤが、
天から下って来て、再び天に昇られるという意味がありました。イエ
ス様は初穂であると言われています。「しかし事実、キリストは眠っ
ている者の初穂として、死人の中からよみがえったのである」(Ⅰコリ
ント15:20)。つまり、イエス様は信じる者たちの復活を象徴する
初穂でした。
そして、先に述べた14万4千人とは、最後の時代において、聖所
制度に表された預言を成就させる、初穂になる人々です。信じる者
は、各時代ごとに、その時代の初穂とと呼ばれています。「父は、わた
したちを、いわば被造物の初穂とするために、真理の言葉によって
御旨のままに、生み出して下さったのである」(ヤコブ1:18)。時代

162 │ 聖所‐福音の道しるべ
   157   158   159   160   161   162   163   164   165   166   167