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の作業は始められませんでした。この初穂については、後に学ぶとし
て、先に、祭りの意味を簡単に調べておきましょう。

A、過ぎ越し祭
過ぎ越し祭は、エジプトを出る直前に、羊をほふり、その血をかも
いと、入口の二つの柱につけ、その肉は、すぐ出発できる身支度をし
て、家族全員が食べる儀式として始まりました(出エジプト12章参
照)。それは、罪の奴隷から、急いで逃れなければならないことと、
ういごを殺す災難を下す、裁きを行う天使のつるぎを逃れるため
に、救い主の血をつけることでした。その時、血がぬられた家は、審
判が通り越しました。過ぎ越し(Passover)とは、裁きが通り過ぎる
という意味です。イエス様の血は、罪の結果である永遠の死に定め
る裁きが、私たちを通り過ぎるようにします。父なる神様に感謝と賛
美をたえず捧げましよう!
過ぎ越し祭の羊は、火で焼いて食べなければなりませんでした。
それは、救い主が、私たちの罪の値を支払うために、身代わりとし
て、憐れみの混じらない滅亡の火の刑罰を受けて下さる、その死に
あずかることを意味していました。
羊をほふるのは夕方でしたが、へブル語の意味は「Between
the Two Evenings」(二つの夜の間)、すなわち午後の3時ご
ろでした。ユダヤの時間の概念では、太陽が傾き沈みかけて行く時
間が、現在の午後3時だとされ、太陽が完全に沈む時間が午後6時
とみなされました。マタイによる福音書27章45から50節によれば
イエス様が午後3時ごろ死なれたことが分かります。もしイエス様
が、太陽が完全に沈んだ、午後6時ごろ死なれたとするなら、ユダヤ

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