Page 88 - RememberMe!
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1 「それだから、神の安息(κατ παυσιν)にはいるべき
   約束が、まだ存続しているにかかわらず、万一にも、はいり

そこなう者が、あなたがたの中から出ることがないように、
注意しようではないか」(ヘブル4:1)。
「それだから」とは、3章の最終節の、「彼らがはいることのでき
なかったのは、不信仰のゆえであることがわかる」を受けての言葉
です。荒野のイスラエル人は、心がかたくなになり、不従順であった
ゆえに、神を激怒させ、荒野で死んでカナンの安息に入ることがで
きませんでした。ヨシュアについていってカナンに入った民も、安息
を享受することはできませんでした。イスラエルの民にとっての安
息は、約束の地であるカナンに入り、嗣業〔相続財産〕を譲り受け
ることでした(申命記12:9-10)。彼らの心は、旅が終わった後にや
ってくる安息、各人が自ら所有するブドウの木とイチジクの木の下
に座って神の祝福を享受する、そのような安息を切望しました。し
かし、そのような安息は、単純に約束の地に入ったからといって得
られるものではありませんでした。
様々な敵がその地を占領していて、たとえイスラエルがカナンに
入ったとしても、何年も戦わねばなりませんでした。そうであったと
しても、神はそういった戦いのためにも、あらゆる準備を整えてお
られたのでした。「見よ、わたしは使をあなたの前につかわし、あな
たを道で守らせ、わたしが備えた所に導かせるであろう」(出エジ
プト23:20)。しかし、この約束は、イスラエルが神に服従すればこ

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