Page 89 - RememberMe!

そ成り立つ、条件的なものなのでした。ところが、彼らは絶え間な
い偶像崇拝のために、約束された安息に入ることができませんでし
た。そこで、その安息の約束は、現代の私たちにも果たされずに残
っているのです。「約束がまだ存続して〔残って〕いる」のギリシア
語カタレイポマネス(kataleipomanes)は、現在形になっています。
これは、安息の約束が現在も引き続き残っているということ、また
入るようにとの招待と勧告が今も進行中であることを意味します。

神が約束なさった「安息」は、何らかの物質的な成就や安楽では
ありませんでした。それは、神のうちに得られる霊的カナンの経験
であります。どんなに乳と蜜の流れる外面的な安楽に浸っていたと
しても、神から離れて不従順の生活を続ける人の良心は、重荷にさ
いなまれることになります。しかし、神への完全な屈服を経験する
ならば、すべてが新しくなって、その人の価値観が変わります。彼の
罪は赦されて、キリストにある新しい被造物となります。さまよって
いた魂が、ついに休みを得ます。そして、神の約束された安息へと入
っていくのです。地上のカナンの安息は失敗に終わりましたが、私
たちには、霊的カナンの安息に入る約束が残されています。私たち
が恐れるべきは、荒野のイスラエル人の二の舞を演じ、真の安息に
至らないことではないでしょうか。

2 「ところが、わたしたち信じている者は、安息(κατ
παυσιν)に入ることができる」（ヘブル４：３）。

新約聖書と安息日 89