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2)大贖罪日

さあ、それでは次に、至聖所の核心である大贖罪日について学ん
でみましょう。日ごとに捧げる儀式と、年ごとに捧げる儀式には大き
な違いがあります。日ごとの儀式では罪が赦され、年ごとの儀式で
は罪が消し去られます。そのことは次の章でくわしく見ますが、ひと
つだけ、はっきりさせておかなければならないことがあります。

大贖罪日に、イスラエルの民は、あらゆる欠点、短所などの重荷か
ら解放され、完全に清められる経験をしました。「この日にあなたが
たのため、あなたがたを清めるために、あがないがなされ、あなたが
たは主の前に、もろもろの罪が清められるからである」(レビ記16:
30)。つまり、大贖罪日が過ぎるまでは、実際上、まだ罪から完全に
清められてはいないということです。聖句には、「この日に、・・・あな
たがたは主の前に、もろもろの罪が清められる」と言われています。

大贖罪日の前までは、たとえ日ごとの犠牲を通して赦しを受けて
いたとしても、罪の記録はまだ残っていたのです。この罪の記録が
除去されるまでは、再び堕落して有罪宣告を受ける可能性が残って
いるのです。もちろん、毎日私たちは悔い改め、献身することによっ
て、永遠の救いと赦しを受けることが出来ます。そのあがないの経
験を、私たちは常に保ち続けて進まなければならず、一度救いを経
験したからといって、その後もずっと救われた状態にあるとは限らな
いのです。

使徒パウロは、このことを強調して、へブル人への手紙でこのよう
に述べています。「『わたしが、それらの日の後、彼らに対して立てよ
うとする契約はこれであると、主が言われる。わたしの律法を彼ら

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