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小羊の脂肪のように消滅し、煙のように消えうせる」(欽定訳)と、語
られています。

脂肪の焼ける臭いというのは、決して快いものではありません。と
ころが、聖所の儀式において、このような焼ける肉の臭いは「香ばし
いかおり」(レビ記4:31)と記録されています。なぜでしょうか?神様
は、その臭いそのものを喜ばれたのではなく、私たちが罪を告白して
捨て去り、神様に捧げたことを表していたからです。それが、脂肪を
取って祭壇で焼く、罪祭の意味でした。

罪祭では、脂肪を完全に取り切って祭壇で焼き、残りの肉はすべ
て、陣営の外で焼かなければなりませんでした。それは、罪を放棄し
ないで持ち続けた罪人が受ける、最後の運命を象徴していました。
救われた聖徒たちの住む新しいエルサレムが、天から下ってきて、こ
の世界が新しい天と新しい地に再創造される時、新エルサレムの外
にいる悪人たちは、火と硫黄によって焼き滅ぼされます。罪と罪人
が滅亡することによって、ついに罪の歴史は終わりを告げます(黙示
録20章参照)。このように、あがないの全過程は、聖所の制度の中に
見ることが出来ます。

5、罪祭の真の意味

A、罪祭に表された赦し
罪祭において、油注がれた祭司が罪を犯した時や、全会衆が罪を
犯した時には、いけにえの血は聖所の中に持っていかれ、聖所と至
聖所を隔てている垂れ幕の前に注がれ、次に香の祭壇の角に塗ら
れました。そして、その香の祭壇の前で、祭司はとりなしの祈りを捧
げました。しかし、つかさや、一般人が罪を犯した場合には、その血

60 │ 聖所‐福音の道しるべ
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