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次の章では、新しい契約の経験が、実際にどのようにしてもたらさ
れるかについて、筆者の体験を交えながら説明したいと思います。

6、罪祭と新しい契約の経験

古い契約と新しい契約の違いは、契約に向かう人の心の動機の
違いです。その内容と条件はまったく同じものです。この契約とは、
神様が、ご自分の民が戒めを守り従うなら、彼らをご自身の民とし、
彼らの神となられるという約束です。神様はイスラエルとこの契約を
結ばれました。しかし、イスラエルはその契約を実行できませんでし
た。本当のイスラエルとは、神様がイスラエルと結ばれた、この契約
を彼らの生涯に実行する者たちを言います。そのような人々を、聖書
は「霊的イスラエル」と呼んでいます。使徒パウロは、契約を成し遂
げる人たちを、「神のイスラエル」と呼びました。

「しかし、わたし自身には、わたしの主イエス・キリストの十字架
以外に、誇りとするものは、断じてあってはならない。この十字架に
つけられて、この世はわたしに対して死に、わたしもこの世に対して
死んでしまったのである。割礼のあるなしは問題ではなく、ただ、新
しく造られることこそ、重要なのである。この法則に従って進む人々
の上に、平和とあわれみとがあるように。また、神のイスラエルの上
にあるように」。(ガラテヤ6:14~16)。

ここでパウロが強調しているのは、本当に自我に死んで、生まれ変
わった心で生きる人が、「神のイスラエル」であるということです。私
たちが、真心から悔い改める時、神様の戒めを愛し、喜んで従う新し
い心が与えられます。

私たちは、神様の戒めを、自分の力で守ることはできません。「肉

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