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本心から従いたいとも思わなかった母の言いつけ(律法)に従うこと
が出来るようになったのです。ヘブル10章16節には、このような新し
い契約の経験を次のように記しています。「わたしが、それらの日の
後、彼らに対して立てようとする契約はこれであると、主が言われ
る。わたしの律法を彼らの心に与え、彼らの思いのうちに書きつけ
よう」(へブル10:16)。

私たちが、神様のみ子イエス・キリストの十字架を見つめ、私たち
の救いのためにどのようなことがなされたのかを理解する時、私た
ちは、神様との新しい契約関係に入ります。聖霊が、私たちの心と思
いに、神様の律法を書きつけて下さり、私たちは神様の律法の要求
に従うことが喜びになります。神様に従うのは、裁きが怖いからでは
なく、天国へ行きたいからでもなく、イエス・キリストの愛に心を打
たれて、二度と彼を悲しませたくないと思うようになるからです。そ
の時私たちは、神様から新しい心をいただいたのです。

私たちは、罪祭の儀式を通して、カルバリーの十字架を見ること
になります。そして、十字架のもとにひれ伏して、私たちは新しい契約
の経験の中に入るようになります。この経験を与えるために、神様は
罪祭の制度を定められたのでした。

しかし、私たちが覚えておかなければならないことは、もし私たち
が、毎日、神様の愛を経験することも、思い起こして感謝することも
ないとしたら、再び同じ罪に倒れてしまうということです。以前の誘
惑が勢力を取り戻し、罪への欲求が再び湧き上がってくるのです。

神様の愛は力です。その力は毎日受けるべきものです。神様の愛
は一度受けて終わるものではなく、たえず受け続けなければなりま
せん。それゆえ救いとは、毎日神様と共に歩む経験であって、一度受

第4章 │ 75
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