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す。私の証が読者の皆さんに、新しい契約の経験が、どのようなも
のかを理解する手助けになるように望みます。

小学校５年生の頃でした。私は村の友だちと、戦争ごっこをして楽
しんでいました。私たちは竹を割って刀を作り、木を曲げて弓を作り
ました。砂を持ってきて城を高く築き、石を拾い集めて鉄砲玉と砲
弾にしていました。私たちは、「突撃！」という合図で、一斉に城から
飛び出してチャンバラをやり、走ってくる敵に向かって矢を発射しま
した。それから、本物の弾丸と砲弾が飛んで行くように、石を投げ合
いました。なにしろ、楽しくて、我を忘れて戦争ごっこをしていたので
す。しかし、この遊びはとても危険なもので、親たちは、毎日、戦争ご
っこはしないようにと注意していました。

筆者の母親も、戦争ごっこはしないように、何回も注意していまし
た。特に、石を投げ合う遊びは絶対してはいけないと厳しく言って
いました。ところが、村の友だちが歓声を上げながら楽しそうに走り
回っていると、一緒に遊びたいという誘惑にかられるのでした。しか
も、親の言いつけが怖くてしり込みするようでは、子共たちから、卑
怯者、軟弱な裏切り者呼ばわりされるため、その誘惑はよほど耐え
がたいものでした。

ある日私は、誘惑に負けて戦争ごっこに参加してしまいました。夢
中で遊んでいるうちに、私は自分たちの陣地に向かって攻めてきた
敵兵に向かって、石を投げました。突然、女性の悲鳴が聞こえてきま
した。私が投げた石が、道を歩いていた行商のおばさんの額に当た
ってしまったのです。悲鳴を上げながら地面に倒れ込んだおばさん
の額からは、赤い血が流れていました。急にあたりは静まり返り、恐
れと不安の空気がたちこめました。遊びの楽しさと興奮は、またたく

72 │ 聖所‐福音の道しるべ